柏餅

柏餅

上品な香りの柏の葉。

葉を開いて、餅をよく見ると、編笠と言われる兜のような角のある形をしています。
これは、効率よく早く、職人の技でひとつひとつ包んだ証です。

柏餅の始まりは、徳川九代将軍家重から十代将軍家治の頃の江戸から。

端午の節句に食べられるようになったのは、柏の葉の新芽が出るまで、古い葉が落ちないことから、
家系が絶えなく家門繁栄を願ういわれから縁起物として食されてきました。
また、餅を包む時の手つきが、神を拝む時に打つ柏手の動作に似ており、縁起が良いとされたとも言われています。

日本全国に広まったのは、 参勤交代によると考えられていますが、
1930年代ごろまでは柏の葉の自生が多い関東が中心で、関西では柏の葉で包むものが生まれるより前にサルトリイバラなどの葉で包む餅が存在しており、それが柏餅となっていました。

柏の葉は、香り付けや持ちやすさ、飾り以外に、実用的な効果があります。
「オイゲノール」という殺菌作用のある成分が含まれていて、菌の繁殖による傷みを防ぐために利用されていました。
餅の乾燥を防ぎ、天然のラップとして大活躍でした。

kashiwa

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